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言葉より大切なこと 6

「物事を楽しむことをせず、勝者と言う事だけにこだわることがだよ。」



「しょうしゃ って勝つことだよね?」

「あぁ、お前は翼や環、健に勝てなかったら本気で悔しがるだろ?」

「うん。」

「今まであいつ等に勝ったことあるか?」

「うん、ババ抜き、ボーリング、山崩し、かくれんぼ。」

「その勝ったものは全部あいつらがお前に勝たせてやったからだ。」

「・・・わざと負けたの?」

「あぁ、それがアイツらの優しさだ。絶対に責めるなよ。」

「うん。」

匡は今までの勝利が勝利じゃないことを知り、少しだけ涙ぐんだ。

「あいつ等に勝ったことがあるものは次にやろうとは思わなかっただろ?」

「うん。勝ったからどうでもよくなった。」

「それが俺と似ている。また同じことで勝ちに行こうとしない。それは勝てばいいだけだったからだ。
やっていて楽しいと思ったことがねぇからな。
ずっとやろうと言う気持ちにはなれない。
翼は打てない悔しさと、野球が出来る楽しさを知った。
環は、可愛いユニーホームを着れる喜びから、テニスをはじめ練習までするようになった。
健は最初かからバイオリンを弾く楽しさを知った。健は弾ければ良かったんだ。賞に興味はなかった。
あいつ等は自分でやりたいことのやる楽しさと続けたいと思う気持ちを手に入れた。
そう言う奴らは人間として大きなものを得る。
だが、アイツらは楽しむと言うことの方が大きいから勝利に興味はない。
そこがお前と違うところだ。」

「ん~難しいね。」

「あぁ、だがお前も来年は初等部だろ?
あいつ等はお前の歳でやりたいことも楽しみたいことも見つけてた。」

「そうなんだ。」

「あぁ、お前がアイツらに勝てないのは体力的なことばかりだと俺は思う。
同じ高校生になればお前の方が強い。
だが、今のお前は楽しみを知らないから何をやっても中途半端なままで終わる。
真の勝者ではねぁな。一番強くなりたいか?」

「なりたいっ。」

匡は清らかな目で司に言いきった。

「なら、なんでもいいから楽しいって思うことを見つけろ。
翼や環の様にスポーツでもいい、健の様に音楽でも、絵描きや茶華道、文学でもなんでもいい。
楽しむこと、夢中になれることを見つけた時にこそ勝ちにこだわれ、そしてそのてっぺんを目指すんだ。
それが一番強いってことだ。みんながお前を一番だと言ってくれる。」

「てっぺん?」

「優勝することや、金メダル、名誉な賞をもらうことだ。」

「じゃあ、金メダル欲しいな。」

「じゃあ、金メダルもらえることで探してみろ。」

「うん。」

「夕飯まで時間あるから、バドミントンやるか?」

「いいの?」

「あぁ、仕方ねぇから今日はお前の 司タイムだ。」

「僕、つくしタイムが良いな。」

「おめぇ、本当は今日おれがつくしタイムだったんだぞ?」

「そうなの?」

「あぁ、アイツらが朝から邪魔しに来たからなくなったんだ。」

「残念だったね。」

「あぁ、だから今日お前ら早く寝ろよ?」

「なんで?」

「なんでもだ。」

「・・・わかった。」

「バドミントンで体動かせば、疲れて早くねるだろ?」

「・・・・だから、寝るのが一番遅い僕と遊んでくれるの?」


「・・・それもあるが、匡が俺に似れるから、お前にさっきの話をしてやりたかったんだ。」

「ん~難しいけど勝ちたいって気持ちと楽しいって思うことを見つけるよ。
あと紬に優しくするんでしょ?」


「あぁ、紬は可愛いからな。お前も守れ。」

「わかった。紬が一番お母さんに似てるもんね。」

「そうだな。」


廊下を歩く父と子。

クローンと言う言葉が当てはまる二人は、西側の部屋までゆっくりと足並みをそろえて歩く。

幼き頃から、道明寺の後継者として帝王学を叩きこまれた司。

流れる血を、憎いはじめた10代

守りたい女の為に後継者としても道を選んだ18歳

幸せを掴んだ男は、自分によく似た息子に帝王学ではなく、人生を楽しむことのヒントを教えた。

一人の男として、人を愛し人間として成長した司。

父となり、子供を育てる喜びと責任を感じていた。

道明寺としての人生ではなく、一人の人間として幸せを掴んで欲しいと孤独と戦い続けた男は子供に願った。

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  • 2015-02-15 21:17
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