司が帰国して10日が過ぎた。
どんなに帰りが遅くなっても司はつくしの住むマンションに帰宅した。
大学のレポートをまとめていたつくし。
起きていて司を迎えた。
「おかえり。」
「ただいま。」
優しく触れ合うキス。
最初は恥ずかしかったが、拒めばその場で襲われた。
以来、キスはちゃんとしようと決めたつくしだった。
「なんか飲む?」
「あぁ、なに飲んでんだ?」
司はテーブルに置かれてあったマグカップを見て聞いた。
「ホットココア」
「ゲッ・・・水でいい。」
「ゲッって言うな。」
「お風呂入って来る。」
「うん。」
着ていたスーツのジャケットを使用人が受け取りにくる箱に入れた。
つくしは働くようになり、スーツを着るようになった。
スーツのクリーニングは邸の使用人がとりに来ることになっていた。
毎日その箱を、玄関前に出しているつくし。
誰も住んでいない階。
念の為、ボックスに鍵はかけるが玄関先に出す。
自分がいない部屋には誰も入れなかった。
一度来た服は再び着たことがなかった司だったが、つくしに説教され箱に入れるようになった。
ネクタイとワイシャツ、スラックスを入れバスルームに向かう。
シャワーを浴び終えると、リビングではうたた寝していたつくしの姿。
「ったく、風邪ひくぞ。」
司はつくしをそっと揺すった。
「ん?あぁごめん。」
「寝室で寝てろっ」
「うん。」
眠い目を擦りながら、キッチンに飲んでいたコップを片付けつくしは洗面台に歯ブラシをとりに向かった。
「ん?」
司はキッチンカウンターに置いてあった市販の薬箱をみた。
「おいっ体調悪いのか?」
廊下のつくしに聞く。
返事に困ったつくしは、考えた。
「あっうん。ちょっとお腹が痛かっただけ。」
「食い過ぎか?」
「そういう事にしておいて。」
「ったく。」
笑いながら髪をタオルでふき、司は出せれていたミネラルウォーターの飲んで洗面台に向かった。
青の歯ブラシは司、ピンクの歯ブラシはつくし。
二つ並んだ歯ブラシに司はフッと笑い自分の歯ブラシを手にした。
トイレから出て来たつくしが寝室に向かう。
少し腰を摩りながら。
歯磨き中の司は気づきもしなかった。
二人のベッド、寝ているつくしの隣に入り抱き寄せる。
つくしがお腹を押さえていた。
さすがに、お腹が痛いと言う女を襲うほどの野蛮な考えは持っていない。
「まだ、痛いのか?」
「ん~まぁ。薬飲んだから大丈夫。」
「なぁ、ちゃんと医者に診てもらえ。自己診断するな。お前にもしものことがあったら、俺は生きていけねぇ。」
司は起き上がり、携帯をとりに向かおうとしていた。
「ちょっと、大丈夫。」
「薬まで飲むほど痛いんだろ?大丈夫なワケがねぇ。」
「大丈夫なのっ。だって・・・・その・・・・・・・」
「だってなんだよ?」
「
生理の初日はどうしても毎回痛いの・・・。言わせんなバカっ。もう寝るからっ。」
「?」
「せい・・・り?」
何だっけ?
ん?
初日は?
そう言えば、昔姉ちゃんも機嫌悪い日が毎月あって・・・・
あぁそういう事か。
「言えよな。」
「言えるか。ばかっ」
「つーか、俺ってすげぇー運がいいんだな。」
「は?」
「俺がお前に会えた時はその生理っつーやつになってなかっただろっ?お蔭で隅々までお前を知れたし。」
その言葉につくしは枕を思いっきり投げつけた。
ボフッ「いってーなっ」
「最低、バカ男。変態」
「うるせぇ。男はみんな変態だ。」
「今日はあっちで寝て。」
「嫌だね。」
そう言って司は、横を向いて寝るつくしを後から包み込むように抱き寄せた。
「離して。」
「離さない。」
「・・・・」
「・・・・」
「おやすみ。」
「どこが痛い?」
司は優しい声で聞いた。
「・・・お腹。」
「ここか?」
司はつくしのお腹に手をあてた。
「うん。」
「あっためてやる。」
「・・・・うん。」
大きな手で優しく摩る。
つくしは恥ずかしいけど、手当てという言葉は字の通り本当なんだと実感していた。
司の優しさで痛みが和らいでいく。
抱きしめてもらう体が、眠さでポカポカ温かい。
「ぷにぷにだなっ」
摩っていた司の手が、軽くつくしのお腹をつまむ。
ボフッつくしの肘が司のみぞおちに入る。
「ぐっ」
「最低っ」
蹲る司を無視してつくしは寝た。
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